こびない鳥たち 桜那恵のコラム 甘夏ためつすがめつ8こめ

鳥が好きです。

彼らのこびないよそおいが大好き。

 

例えば青い鳥で有名なカワセミなんかもそうですが、彼らの青い羽根は青い色素をもたない。*

なのに青くきらめくなんて、ほんと夢みたいに美しいと思いませんか?

 

 

夢で描く、ということをGernerは知っています。

これはシギで、こっちはヒタキ?これはどう見てもアオサギだけど、でもこっちは?

空想と現実のはざまで、彼は得意のデザイン性を持って楽しく描いてる。鳥たちがくわえてるものや、足元に落ちているものもなんだかたのしい。

 

鳥はみんな、みんな違う。なのにみんな鳥。

鳥は自身の色の素晴らしさ、フォルムの愛さらしさ、声の魅せ方をよおく知っています。

だからこびない。でも決して卑下しない。

 

そういう本質的な美しさみたいなものを、Gernerはよく知っているし、私たちにそっと教えてくれます。

 

次作の「Chiens」もたのしみ。

 

*構造色と言われるもの。光の角度や波長の干渉によって私たちの目には青く見えている。

 

YONA Megumi

 

 

 

Oiseaux Real And Imaginary Chromatic Inventory Jochen Gerner 2021