鳥が好きです。
彼らのこびないよそおいが大好き。
例えば青い鳥で有名なカワセミなんかもそうですが、彼らの青い羽根は青い色素をもたない。*
なのに青くきらめくなんて、ほんと夢みたいに美しいと思いませんか?
夢で描く、ということをGernerは知っています。
これはシギで、こっちはヒタキ?これはどう見てもアオサギだけど、でもこっちは?
空想と現実のはざまで、彼は得意のデザイン性を持って楽しく描いてる。鳥たちがくわえてるものや、足元に落ちているものもなんだかたのしい。
鳥はみんな、みんな違う。なのにみんな鳥。
鳥は自身の色の素晴らしさ、フォルムの愛さらしさ、声の魅せ方をよおく知っています。
だからこびない。でも決して卑下しない。
そういう本質的な美しさみたいなものを、Gernerはよく知っているし、私たちにそっと教えてくれます。
次作の「Chiens」もたのしみ。
*構造色と言われるもの。光の角度や波長の干渉によって私たちの目には青く見えている。
YONA Megumi
Oiseaux Real And Imaginary Chromatic Inventory Jochen Gerner 2021