静かで無邪気、真実でみずみずしく、幼くて同時に老成している。
これは真実の虚言だ、と思う。
その言葉をことばとして受け取る前に私は何か気づいている。この揺れを否定しないで、と私のどこかが懇願するように言う。その感情の揺れは、私の場合なみだになって現象になる。
それは限りなく祈りに近い。
神話学者ジョーゼフ・キャンベルが言った「創造的な孵化場」がまさにここにある。
谷川俊太郎は著書のどこかで、自作に対してはいつまでたっても客観的になることができない、と零していたことをふと思い出す。
客観的になれない日々が、どうしようもなく私を作っているのだ。
どうもこの辺りに、詩人・谷川俊太郎の孤高さがあるような気がする。
YONA Megumi