ああ今絶対撮り逃した、と思うことがよくあります。
今日私はそれで、撮りたい瞬間を二度逃した。カメラを持っていなかったんです。
2分後、いや明日になっても私は後悔しているだろうと思いながらとぼとぼ通り過ぎます。
写真は決定的な美しさを提供してくれる反面、それは残酷なまでに刹那的です。
そしてそれが刹那的であればあるほど美しいとまあこういった具合です。
白黒写真はなんというか「ずるいな」とまず思います。だってずるい。あんなにものの陰影の効果を最大限に発揮できるものなんてないでしょう。
しかしこれが色づくとどうか。
これは赤だという事実よりも、赤なんだと想像するこの逡巡が美なのではないでしょうか。
そこにもブレッソンの写真の魅力がある気がしています。
YONA Megumi
Landscape Henri Cartier-Bresson アンリ・カルティエ=ブレッソン/1999