夏休みが始まりました。
「休み」とはいえ休みなのは子どもたちだけで、親にとっては憂鬱でしかない。
毎日何をして遊ばせよう。ご飯はどうするか。片付けても片付けても一瞬で散らかる家の中…
お父さん・お母さんお疲れ様です。大変ですが、程よく手抜きしながら乗り切りましょう。
突然ですが、「虫」は好きですか?
私は大の苦手です。虫が増える夏は恐怖でしかありません。
そのくせガーデニングは好きなもんだから、虫が出る度に奇声をあげて夫や隣家のおじいちゃんを助けを求め、家族は毎夏呆れ顔だ。
そんな母親の元で育っているのに、娘は虫が好き。
「お母さん。花と葉っぱがあるなら虫がくるのは当たり前なんだよ。」
と、一丁前に説教してきます。
幼稚園で数人の男の子が活動している「虫研究所」なるものにも時々混ぜてもらっているらしい。
散歩に行って両手一杯にダンゴムシを捕まえて嬉々として持ち帰ったり、カゴと網を持って外出したがる娘を見ると、虫捕りに付いて行かねばならない&家に虫を持ち込まれる事に恐怖を感じると同時に、好奇心に満ちたキラキラした目をとても愛おしく思う。
出来る範囲で一緒に楽しみたいと思って一緒に虫の本を開くと、ページをめくる度に出てくる虫の写真にゾワゾワ。
外で出会った虫の名前が知りたいと頼まれて画像検索なんてした日には、恐怖画像の羅列に「ヒーーーー!!」と大慌てで画面を閉じてしまう。
虫が苦手なお父さん・お母さん。そんな経験ありませんか?
虫が苦手でも子どもと一緒に楽しめる本はないか?と試行錯誤してきた中で見つけた本を今回はご紹介します。
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【子どもと一緒に読む】
『昆虫とあそぼう』 とだこうしろう(戸田デザイン)
身近な昆虫との遊び方の本。虫が苦手でもOKなくらいの程よいリアル感のイラストで虫が描かれています。
情報量は多くないけれど、知りたいことのツボはきちんと押さえてある。
この本でセミの鳴き声の区別の仕方を知り、昨夏は娘とセミの鳴き声聞き分けクイズをよくやりました。
昆虫と「あそぶ」のがポイントです。
月刊かがくのとも 2019年7月号『むしたちのおとのせかい』 高梨琢磨・土原和子・福井利佐(福音館書店)
繊細で美しい切り絵で、虫が発する「音」の役割が紹介されていています。知らなかった事も多く、大人も勉強になります。
苦手な虫も、切り絵になるとウットリしてしまう不思議。
『クモの網 What a wonderful web!』船曳和代・新海明(INAX出版)
クモの巣の標本集。クモの種別にクモの巣と狩りの方法がまとめられています。
まず、クモの巣に標本があることにビックリ。
そして各々の標本に付けられた表題が「サインはX」とか「驚異のレコード盤」「破れた網タイツ」とか面白い。
巣を作成したクモの実物大写真も載っていますが、大抵のクモは小さいのでなんとか許容範囲。
クモの巣の多様さと美しさに驚き、子どもと一緒にクモの巣探しに出掛けたくなります。
『りったい 新 昆虫館』神谷正徳(小学館)
虫を作るペーパークラフト。親子で黙々と作りました。虫が立体でイメージできて楽しいです。
実際の色と異なる作りの虫もいますが、虫嫌いにとってはリアルすぎないくらいが可愛くて丁度いい。
【親が読む】
『センス・オブ・ワンダー』レイチェル・カーソン(新潮社)
生物学者である著者が大甥と過ごした日々を通して感じたことが綴られています。
以前からの愛読書でしたが、子育て中に再読して更に感銘を受けた本です。
大人になると多くの人が失ってしまう「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性」について書かれた文の中にある言葉
『生まれつきそなわっている子どもの「センス・オブ・ワンダー」をいつも新鮮にたもちつづけるためには、わたしたちが住んでいる世界のよろこび、感激、神秘などを子どもといっしょに再発見し、感動を分かち合ってくれる大人が、すくなくともひとり、そばにいる必要があります。』
との言葉に、苦手なことも出来るだけ子どもと共に楽しんでみようという気持ちにさせられました。
『フィールドサイエンスのすすめ』露木和男(早稲田大学出版部)
虫嫌いの私がいかに子どもに付き合うかをを試行錯誤していた時に出会った本。
元小学校の先生である著者の虫に対するあたたかい眼差しや自然を愛する心や、フィールドワークを通して子どもの好奇心をいかに盛り上げ育ていくかが書かれています。
この本を読んでいると、虫嫌いの自分も虫の神秘を見に虫探しに行きたくなってきます。
『恐怖とは、知らないという偏見を持つことから生まれるのです。』との著者の言葉に、自分もまずは虫を知る努力をしようと思い立った1冊です。
手に入りにくいので、図書館で。
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本ではないですが、六本木の21_21 design sightで開催中の『虫展-デザインのお手本』も親子で楽しみにしています。
多ジャンルのアーティストが虫から構想を得た作品を展示しているそう。
参加アーティストを見ただけでも、「虫が苦手でも絶対に面白いはず!」と確信しています。
虫が苦手なお父さん・お母さん。
夏休みに勇気を出して子どもと虫遊びしてみましょう!