最近 夜の車の中で「素話」をリクエストされることがありました。2回くらい私が話すと 次は子どもからもお話が・・・。ウマいことに「むかーし むかし・・・」で はじめて「おしまい。どんとはらい。」って終わらせます。普段 聞いている絵本の影響が 出てきて面白いです。
そういえば2歳でも 十分「むかし話」聞けちゃいました(そして読めちゃいました)。難しいとか 長いから、とか 地味だけどなんていう 先入観が私にも少々。でも、繰り返しや方言、うたや リズムなど 歴史の長いお話には 子どもを とらえる 魅力があって 巧い!もちろん絵でも すてきな世界を届けてくれて 世界に引っぱっていってくれました。
というわけで・・・今回は わが家のむかし話の定番選手をご紹介します。
ご紹介する絵本の中で これまでの2年半で最も読んでいるのは日本のお話ではたぶん「ふしぎなたけのこ」翻訳では「3びきのくま」だと思う。暗誦の域。
「ラン パンパン」インド民話 マギー・タフ 再話/ホセ・アルエゴ 絵/山口文生 訳/評論社
奥さんをさらわれたクロドリが 道々、太鼓をたたき「ランパンパン」と言いながら仲間を耳の中に入れて(!)とのさまを こらしめにいくお話。ねこさん、ありさん、木の枝さん、川さん、という個性的な仲間に耳から出てきてもらって こらしめてくれと歌う クロドリの主人。その怖さながら面白い絵やリズムに なんどもリクエストがあった。(ペットボトルとか 大人の膝とか なんでも良いので いっしょに「ランパンパン」とリズム良く叩いて楽しんでも。)
「ふしぎなたけのこ」 松野正子 さく/瀬川康男 絵/福音館書店
海からも山からも 遠く離れた山に住んでいる たろが 誕生日にごちそうの筍を切りにいくと 着物をかけたたけのこがどんどんのびて そのたけのこと一緒に
たろも高い所へ‥‥。「たろ やーーい」とよぶ声、父さんたちが 竹やぶ、松林、などをどんどん超えて たろを探しにいく場面、水のそばで たろを見つけて カライ水にびっくりする場面‥‥。次々と ドラマティックな場面が続き(読むのはけっこう大変ですが)物語の展開がワクワクと楽しかったのかなあ。リクエストが凄かった。(満足度というか おなか一杯な気分になります。)
「おんちょろちょろ」瀬田貞二 再話/梶山俊夫 画/福音館書店
お坊さんに間違われて おもてなしされて 引っ込みがつかず そのままインチキなお経まで披露することに‥‥。ねずみの動きに影響されたそのお経で 今度は泥棒を追い出すことになるという おもしろ話。お経なんて聞いた事くらいしかないのですが そこは こちらもうまく演じてね。はじめのうちは 意味がわからず聞いていたかも。今じゃ わかってますよ。
「三びきのやぎのがらがらどん」北欧民話/瀬田貞二 訳/池田龍雄 画/福音館書店 こどものとも38号(現在は復刻版に収録)
マーシャ・ブラウン版もいいですが あえて。こちらのトロルもかっこいいですよ。やぎが キュートなのもオススメです。これに「どんとはらい」出てきますので 是非!
「おだんごぱん」ロシア民謡/瀬田貞二 訳/井上洋介 画/福音館書店 こどものとも47号(現在は復刻版に収録)
詩で物語が展開するので 歌いながら読んでいました、1歳半くらいで よく歌ったものです。「ぼーくは てんかのおだんごぱん ぼーくは こなばこ ごしごしかいて あつめてとって そーれにくりーむたっぷりまぜて‥‥」あたりまでは 毎回いっしょ。そこから おじいさんからも〜 おばあさんからも〜‥‥と逃げる相手を積み重ねていきますが 時にはおはなしには出てこない おかあさんや○○ちゃんからも・・・とか 身近な人を登場させて歌って楽しみましたよ。
「こぶじいさま」松居直 再話/赤羽末吉 画/福音館書店
「くるみはぱっぱ ばあくずく おさなぎやっつの おっかっか~」という 奇妙な歌が良いです。鬼が描かれている 赤羽さんの画の絵本は いつもどこか鬼のキャラクターがかわいいところにも注目です。
「3びきのくま」 瀬田貞二 やく 山田三郎 え 福音館書店 こどものとも66号(現在は復刻版に収録)
これを読むようになってからは「おかゆ」は早く食べないと「きんきらこ」がやってきて 食べられちゃう、とか「あつくもなく つめたくもなく ちょうどいい」とか言います。いつも3びきを比較した文章で語られるので 繰り返しが心地よく わかりやすいみたい。大人には読みずらさがある長い文章は 言葉を習得中の子どもには 反対に説明がきちんとあって 良い面もあるのかも。私の楽しみは 山田三郎画のロシアの民具がとても美しく描かれていて素敵で毎回、「このおわん、きれいだね~」とか まじまじ見ちゃえるところです。
「かさじぞう」瀬田貞二 案 赤羽末吉 画 福音館書店 こどものとも58号
大晦日のお話なので12月にお勧め。出てくるおばあさんが好き。おじいさんが じぶんの傘もおじぞうさんにあげてきてしまい お金を持って帰ってこなかったのに「つけものででも年をとるべな」と言って あったかくおかえり~をできる。妻の鏡♡。良いなあ良いなあ。夜中にやってくるおじぞうさんたちの「よーいやさ よーいやさ」のかけ声が また怖くもあり 懐かしくもあり素敵です。この絵本も含めて「こどものとも復刻版」ABセットを持っているのですが 0歳の時からすでに相当お世話になりました。
今年はホントに雪が多かった。「かさじぞう」や 「ゆきおんな」など 日本には雪国があって 雪は恐ろしくも懐かしいものだという事を なんとなく感じることができる日本の昔話。目の前の雪情報も大切な中ですが 絵本を開いて物語の世界と窓の外の景色を見くらべて 時代を旅してみたくなりました。
そして 今回おすすめした こどものとも復刻版はこちらでご購入頂けます。(現在、Aセット1~50号のみ)
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