ネットとプラスティックのボールでできた巨大な彫刻は、アスレチックのようだ。空中に浮かんでいる。くねくねとしたなまめかしいかたち、これはなんだろうとじっとみつめていると、ふと、中に人がいることに気付く。
なかに、入れる!
きしっ。きしっ、ぎゅっ、ぎゅっ、
きしっ。きしっ、ぎゅっ、ぎゅっ、
細い通路を抜けると、広い空間に出た。
視界が揺れて、目の前に、東京の空が広がる。
エスパス ルイ・ヴィトン東京にて、ブラジルのアーティストエルネスト・ネトによる『Madness is part of Life(狂気は生の一部)』が行われている。会場では、入れる彫刻≪A vida e um corpo do qual fazemos parte(われわれは生という体の一部)≫を含む計4点の彫刻が展示されている。展示全体のタイトル『Madness is part of Life(狂気は生の一部)』は、私たちの日常が政治的な正しさ(PC)や生産に支配されている現状をあらわし、世界が本当はもっといぶきとうずきとに満ちていることを示そうとする。
吊り下げられた不安定な路を全身でたどる、こんなからだ体験は大人の日常にはあまりない。
作品をくぐりぬけながら、私たちの身体と、身体の置かれる場とを意識する。
子どもにとってはまちなかにあらわれた遊び場!
あるいて ころがって ねそべって
こんにちは わらって こんにちは。
2013年1月6日(日)まで。
エルネスト・ネトの弟子エヴァンドロ・マシャードによる映像作品も展示中。
参考
※ウェブページのリンクは11月30日(金)現在
エスパス ルイ・ヴィトン東京
http://espacelouisvuittontokyo.com/ja/
駐日ブラジル大使館
http://www.brasemb.or.jp/culture/art_02.php
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